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S. E.さんの場合

出身学部、学科

人文学部、ロシア言語文化

勤務先の業種

国際交流補助

業務内容(ロシア関連業務、それ以外の業務)

翻訳、日露企業・地域交流補助

ロシア語の学習歴

高校卒業後から10年

ロシア語ができることはどのような「強み」になるか

ロシア語話者がそもそも少ないため、しっかり勉強していれば就職面で他より貴重な存在になれるところはあると思います。ただ、私はロシア語を学び続けることで触れる機会のあるロシアの文化に関する勉強の方が、仕事にも私生活にも大きな影響を及ぼすと考えています。というのも、私が社会に出てから特に必要だと思ったものに、①他の価値観を持った人や文化に対する理解力(もとい分からなくても分かるまで考える頭の根気力+自分以外の視点をいったん受け入れる姿勢)②言葉の表現力(説得力)③発想力の3つがあるのですが、私の場合ロシア語・ロシア文化を勉強していたことがかなりの部分この3つを得る手がかりになっています。というのも、ロシアの文学・芸術が、世の中の成り立ちや人の精神構造などの本質的なものを、巷のビジネス書や心理学講座以上に的確な表現で教えてくれるものだったため、それを必要な時に材料&参考にして、以後自分の考えを作っていけるようになったからです。

学生時代に勉強したことは社会で大して役に立たないという話をよく聞きますが、それは勉強をあくまで受け身的・表面的なレベルで止めた場合の話で(また結果が出るのを焦っている時の話で)、地道に勉強を深めながら自分の考えを構築するためのベースが作れれば、社会に出た後じわじわ役に立ってくることは先達の人たちも証明しています。そのベース作りの上でロシア関係の勉強は有用でした。

ただしこうした武器を得続けるためには、ずっと学ぶだけでなく、学んだことが現実にどう繋がるのか自分なりに考えて答えを出さなくてはいけないので、勉強しながら外に出て現実にゴツゴツぶつかってくることも必要になります。根気も要りますし、辛い面もありますが、その結果得られるものは、周りの環境が変わっていっても自分を支える強みになると思います。

これを言うと、つまりは教養が大事ということで、そもそもロシア語・ロシア文化でなくても良いのでは、という感じもしますが、ロシア文化の世界は深く得られるものも大きいので、成長意欲のある人にはおすすめ出来ます。それにやはり大多数の人が知らないことを知っているということは、上手く使えば社会で良い武器になります。

ロシア語以外に求められる資質

自分の仕事に対する重要性の認識、最低限の協調性と常識、自分の特性を把握していること。

就職情報の収集方法

知り合いの輪を広げること、興味のある関連イベントに参加すること。

後輩へのコメント、学生時代にしておくべきこと

まず何より自分の欠点を詳しく知り、それと上手く付き合うことができるようになるために、あえて好きなことだけでなく、自分の苦手そうなことに挑んで修行しておくことをお勧めします。